02.16
朝には朝の、夜には夜の [ collaboration ]
―――morning―――
連絡を返さない。
一晩人を待たせておいて、謝罪もない。
いろいろルーズなくせに、誰にでも優しい。
なにより、その甘い顔と身体で人を、激しくその気にさせる。
濡れた髪に指をつっこむ。さらさらと指の間を流れる感覚が好きだ。
しかし今は冷えて束になって梳くようにしても指にからまる。
それも良し、と、もてあそびながらキスをした。
ますます許してやりたくなくなった。
―――night―――
七尾は異常に散らかった二階の部屋の床の上で、PCを膝に何かに夢中になっていた。
すぐに理解した。今朝入っていた方面のスイッチはoff。今は完全に別方面にonしてる。
大きく落胆する気持ちをかろうじて押しこめながら開堂は、見たままを言った。
「髪」
「うん、切った。なんか急にうっとうしくなって、つい夕方近所で」
今朝のぐずぐずに溶けた様子など微塵もない。
何時間か前には、その濡れた淫靡な洗い髪に指をからめたばかりなのに、今は、清々しくすっきりと切りそろえられた清潔な襟足。
今朝この手で抱いたばかりの、頼りなく淫蕩で開ききった痴態は幻。あんな風にぐずぐずに欲しがった七尾はどこかへ外出でもしているに違いない。
(「朝には朝の、夜には夜の」絵:二本木春木/文:月田朋より抜粋)
※こちらは二本木春木の2点のイラストを基に月田朋が書き下ろしたものです。
※R18描写があるため、当ブログでは全文掲載をいたしません。18才以上の方は下記リンクよりお楽しみください。
ippongi(二本木春木サイト)
ムーンライトノベルズ
upppi
----------------------------
この2点のイラストをもらった日から私は著しく冷静さを欠いている。
自分の身に何が起こっているのか、いまひとつ理解していないのだが、
お話は勝手にできたのだった。
頼りない物憂げなまなざしは、彼のそれであるし、
人の気も知らず微笑むその薄情なたたずまいはやっぱり彼のそれでした。
創作の神様とBLの女神様、ネットというインフラと、二本木春木に感謝を!!
そして何より彼を愛してくれるみなさまに。
2016.2.16 @midnight__月田朋
にほんブログ村